『311』
続けてユーロスペースで森達也、綿井健陽、松林要樹、安岡卓治『311』。
予告編を観た時からちょっと嫌な感じだな、と思っていたけどやはり良くはなかった。だけどそもそもこれを映画として「良い」とか「悪い」という評価をすることがなんか「違う」という感じは拭いきれないわけで。これが昨年の4月くらいにネットで公開されていたらこんなにも違和感はなかったと思うのだけど。
男4人が恐怖しつつもハイテンションで車に乗って原発を目指すシーンは水曜どうでしょうの珍道中のようだった。不愉快な人もいるかもしれないけど、きっとこれが4人にとっての「お仕事」なのだ。それは検問をしている警察の人達と同じく。
後半は、笑いも救いもない映像がひたすら続く。カメラを穿つ風の音は寒々しく騒々しいが、それを観ている俺は暖かい劇場の中にいる。ぺちゃくちゃ私語しながら観ている女性がいて不愉快だった。そしてそもそも俺はここで何を「観て」いるんだろう?と思った。