『富江アンリミテッド』

井口昇の『富江アンリミテッド』。バルト9にて。

井口昇×富江・・・これは絶対面白いだろうという期待を裏切らない映画だった。冒頭の残虐シーンがまるっきり『処女のはらわた』だったんだけど、これを同日に観てる観客と言うのも俺ぐらいじゃないかと思ったりして。

井口昇映画はエロでグロだけど、どれも基本的には男性視点が薄くてとっても少女趣味(ホントの少女趣味なんて俺がわかる訳ないけど)である。この『富江』もまさにその少女映画としての井口昇フィルムの集大成という完成度でかなり感動してしまった。自分の存在の不安、他者への眼差し、世界への違和・・それらを具現化するものとしてのモンスター、身体の変容・・・すべてが詰まっているし、それを包むおおらかな(けれども厳しい)視線が生まれてきている。やっぱり大林宣彦の『HOUSE』なんだなあ。

絶妙なセンチメントで落とし込むのかと思いきや・・・のラストにちょっとゾクッとしたり。