J.P.ホーガン『星を継ぐもの』

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

今年の7月に亡くなったジェイムズ・P・ホーガンの代表作。

ハヤカワ水色背表紙群の愛読者を公言していながらこの『星を継ぐもの』を読んでいなかったというのは、まさに僕の食わず嫌いに合致する作風というか、ハードSFでありつつちょっとトンデモ本というか疑似科学というか、過去にちょっとだけそういう「ムー」みたいな世界にはまった黒歴史を持つ身としては、読む気になれなかったというのが正直なところである。

で、食わず嫌いをやめて読んでみたら、まあ面白かった。全然ブンガクしていなくて、ひたすらにハードSFでかつ自説の展開に終止する論文みたいな小説だけど、やっぱりこういうネタは面白い。ブンガクが何を書くべきか?とか難しいことを一切考えずに読める。中学生みたいな気持ちになれる。それでいいじゃないかと思ってしまった。

そしてこのあとに、中上健次評伝を読み始めると言う雑多な読書が今は楽しい。

wikipedia:ジェイムズ・P・ホーガン