水木しげる『総員玉砕せよ!』

総員玉砕せよ! (講談社文庫)

総員玉砕せよ! (講談社文庫)

水木しげる『総員玉砕せよ!』読了。戦後65年目の夏の終わりに。

解説にこんな水木先生の言葉が紹介されていた。

「私、戦後二十年くらいは他人に同情しなかったんですよ。戦争で死んだ人間が一番かわいそうだと思ってましたからね、ワハハ」

そう感じるのも無理からぬ・・・と思わざるをえない壮絶な戦争の日々。虚しくて、情けなくて、滑稽で、悲しい日々。俺なんかは身体も弱いし、でも見栄をはったりもするし、あっという間に死んでしまったんじゃないだろうかと思う。

そういえば先日、倉本聰脚本で『歸國(帰国)』という実に酷いドラマがあったけど(魔がさして見てしまった・・)あんな酷いものを作るんだったら、『総員玉砕せよ!』を紙芝居みたいに朗読するほうがどれだけ素晴らしいだろうと思ったりした。