フジロックフェスティバル '10 8/1

三日目。晴れでスタート。10時過ぎにみつまた地区のバス停に行ったらびっくりするようなバス待ちの列。いつもここでは余裕でバスに乗れるのがいいところだったのに・・と凹んだが、20分ほど待ってバス到着。さあ会場へと思ったら会場直前でちょっと渋滞したりして、11:20過ぎてたかも。この日が一番お客さんが多かった気がする。

MATT & KIM

ホワイトステージでMATT & KIM。これも直前にYouTubeで予習してイイなーと思って。もう俺のアンテナは錆つきまくっているので、予習必須になってしまったが、それもまた良しと思えるバンドというかデュオだった。キーボードとドラムのみ。打ち込みなし。二人ともはちきれそうな、という形容が大げさでない笑顔。尋常ない多幸感あふれる音と歌。笑いながらドラムをたたき、キーボードの上で逆立ちしそうになりながら叫ぶ。素晴らしい。

OZOMATLI

ヘブンでOZOMATLI。前にフジロックに出た時は多分観てないはず。ずっと見たかったバンド。予想通り素晴らしかった。今年はソウルフラワーユニオンが出演しなかったけど、ソウルフラワーの代わりと言っては失礼だが、同種の祭りを作ってくれたのがOZOMATLIだった。ラッパーを除けばみんな冴えないルックスだけど、マルチプレイヤーで多くて、みんな芸人で、いい音楽はなんでも食い尽くす雑食であり、つまりは周囲はみんなその音で踊りだすのが必然というバンドで、要は最高だった。

ラスト、メンバーのうち何人かが太鼓をかかえ、ラッパを吹き鳴らし、ステージから観客席に降りる。そのまま生音で続く行進は客たちの手拍子とともに数分間繰り広げられ、やがてステージ脇のテントへと消えた。多分そこでそのままサイン会(笑)。

去年のソウルフラワーの「うたは自由をめざす!」を思い出すような、今年のフジの名シーンだった。ステージの大音量が消えても、音楽は続く。

JJ Gray & Mofro

飯くったり、ビールのんだり、要はダラダラしながらホワイトで。豚と豆腐とショウガのご飯が美味しかった。バンドの方はとってもいい感じだったんだけど、疲労のあまり寝てしまったのです。

LCD Soundsystem

ホワイトステージでLCD Soundsystem。実を言うとこれが今年一番良かったかも。人力のテクノビート。高いとは言えない演奏能力で繰り広げられるヘッポコなサウンドがどんどんと気持ちを高揚させる。パンクでテクノでダンスでロック。とにかくカッチョいい。ドラムとベースとシンセとギターとノイズとシンセドラムにカウベルと、そして歌、シャウト。それが繰り返されて、重ね合わされていくだけで、なぜあんなにもすごい音楽になってしまうのか。

フジロック恒例の、夕方7:00の美しい夕暮れとともに、ビコビコな音に心を貫かれてしまったライブだった。

IAN BROWN

さあ、LCDの後半くらいからグリーンに向かう人達がたくさんいたんだけど、みんなトム・ヨークのバンドATOMS FOR PEACEが見たいんだよね。俺はトム・ヨークさんには「クリープ」の一瞬だけしか縁のない人間なので、まったく迷いなくイアン・ブラウン。開演前のあまりの客の少なさに心配になったが、最後はすげえ人が集まってたからきっとトムさんから戻ってきたのかな。

というわけでいきなりオープニングに"I Wanna Be Adored"。ベースラインが始まったときに鳥肌がたって、気付けばベースラインまで歌う始末。そしてギター。
I don't have to sell my soul
he's already in me
I don't need to sell my soul
he's already in me

I wanna be adored
たったこれだけを繰り返し歌うだけのセラピーのような曲である。いやしかしこの曲の魔法は未だにすごい。イアン・ブラウンは相変わらず痩せていて、サルみたいでカンフーポーズを決めながらふらふらと歌っていた。

そしてソロ作が続く。これがどれもいい曲ばっかりで、さっさとローゼスの曲やれよって思わなかったので感動した。F.E.A.R.とかはホントに名曲。そして最後に"Fool's Gold"(!!)
ありがとうございます!というしかない。

Belle And Sebastian

そのままホワイトでBelle And Sebastian。結構前にもフジロックで見てて、その時はとにかく丁寧な演奏で、音が小さくて精細なライブをするんだなーって印象だったのだけど、今回はいい意味で粗かったような気がする。音はそれなりにラウドだったし、神経質なアンサンブルというよりも、ざっくりといい歌を歌えばいいんじゃないの?っというオッサンなりのユルさが出ててよかった。

最後は前回と同じく"Judya And Dream Of Horses"。いい歌だ。

イアン・ブラウンの途中から降り出した雨が止んでくれなくて、そのままオアシスまで歩いて、締めにビールを飲んで帰った。