『イサク』

4月1日のことを今頃書くなんて。。でもポレポレ東中野R18 LOVE CHINEMA SHOE CASE Vol.7。『イサク』。

いまおかしんじ監督の2009年作品。去年はこれ観るためにピンク上映館に行こうと思っていたのに逃してしまっていた。いままでのいまおかしんじ作品と違って、ちゃんと重い設定が重いムードで描かれていて、しかも前面に押し出されてるのが宗教/罪/赦し・・・なのでちょっと戸惑った。セックスはあまりこの物語には必要ない気がするが、最後の羽にまみれるところだけは必要だったと思う。(ただ一番良かったのは委員長との・・・だったのは内緒だ)

海辺の街。なにもない街。退屈な仕事。そして動かない弟・・・・。全てが停滞していて、でもあえてそこに戻って来た伊作はその停滞を宗教的ふるまいで打破しようとする。そして果穂は逆に、宗教的なものから遠ざかりながら、何かを動かそうとしている。

コリント人への手紙の引用については、なんというか、正直に言うと、こういった言葉から受け取るものよりももっと多くの、複雑な感情を映画は描いてくれると思うので、あまりこういった言葉の力が前面に出たラストは好みではない。そんな言葉で意味ありげに装わなくても、美しい海の情景と、ヒロインの佇む浜辺が色んなことを語っていた。

わたしたちは、今は、鏡に映して見るようにおぼろげに見ている。しかしその時には、顔と顔とを合わせて、見るであろう。わたしの知るところは、今は一部分にすぎない。しかしその時には、わたしが完全に知られるように、完全に知るであろう。このように、いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛と、この三つである。このうちで最も大いなるものは、愛である。