消えゆく曽根中生!?『不良少女 野良猫の性春』
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「田舎から上京した純朴な娘が、都会の男たちに弄ばれながらも力強く生きていく姿を描く。」って紹介されてたりするけど、鳩子ちゃんは純朴というよりもちょっと足りないといった方が正確な女の子であり、悲劇を悲劇として消化出来ないので、どんなひどいことを男たちにされても、映画からは悲壮感の欠片も感じられない。むしろ彼女を弄ぶ男たちの方がいつも必死であり、情けなくて、そしてあっけなく死んでしまったりする。
鳩子ちゃんがアングラ劇団の女優として再登場する後半以降は圧巻である。路上での裸体でのダンス、シュールな演劇、トラックに荷台での旅は続く・・と行った感じ、なぜか鳩子のそれまでの流転は描かれないのに、ロードムービーのような印象すらもってしまう。(藤山直美の『顔』を思い出した。)ゴマメは彼女を連れ戻そうとするが・・・なぜか警官に追われて、なぜか屋上に辿り着き、そしてまさかのラストシーンに度肝を抜かれる。
ストーリーはむちゃくちゃなのに、なぜかすんなりとこの唐突な展開についていけたのは、要所要所でのセリフに納得したからかもしれない。「これか女の転落ってヤツかー」とか「あー俺のアホみたいな人生」とか、みんなどこか冷静に自分の状況をセリフで嘆いたりする。
あのラストシーンのしょうもなさは、『マインド・ゲーム』でロビン西が描いた「しょうもない人生/思いのままに自由に生きる人生」に繋がる気がする。鳩は飛びたち、ゴマメは歯ぎしりする。ラストシーンが始まりのシーンでもある映画というのは清々しくて好きだ。
- 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
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- 作者: ロビン西
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