「戦場でワルツを」

3日。シネスイッチ銀座「戦場でワルツを」

ひたすらに重い。

重いが、このフィルムに色を塗りたくったようなアニメーションでの表現がちょうどいい「非現実感」を演出しているので、自分はドキュメンタリーを見ているのではなく「映画」を観ているのだと認識してしまう。しかし時折、この記憶を巡る物語は夢でも空想でもなく現実であるということに気づかさせる。

いつしか観客は、自分も「封印したい過去の記憶を持つ人間」なのではないかと自らを疑い、その「記憶」の普遍性に恐怖する。我々が生きているのは、大虐殺のあった街と同じ空の下の、繋がった世界である。血の流れた大地は、遠い国かもしれないが、夢の国ではない。

「僕がオモチャの戦車で戦争ごっこをしてた頃、遠くベトナムの空で涙も枯れていた」というブルーハーツの歌詞を思い出した。