東京 1-0 神戸 ありがとうの日

土曜日。味の素スタジアムで東京のホーム最終戦。新潟に行かない僕にとって(そして同じく多くの人にとって)浅利と藤山のラストゲームの日だった。

残留の決まっていない神戸はガッチガチに勝ち点を取ろうとするサッカーで、東京の方はボールはそれなりに回るものの決定的なチャンスを作り出せない展開。早めに点を取っていれば藤山、浅利の両方の出場もあったかもしれないが、結局後半40分過ぎまで先制点は生まれなかった。平松の先制点の直後に藤山IN。

ロスタイムが4分と表示された瞬間、だーっと涙が出た。「えー長いよ」って言ってる人もいたが、短過ぎる!と思って。残り4分だけが、藤山が東京でプレーする時間。残り4分だけが、浅利が控え選手としてベンチにいる時間。そう思ったら、残り4分どころか残り45分でもいいくらいだと思った。

試合終了の笛。平松のヒーローインタビュー、長いなーと思ってたら「お前も泣くんかい!」という感じで、泣き笑いの「乾杯」をして、その後はセレモニー。(バックスタンドでは城福さんの挨拶が激しいダブミックス(音響酷かった・・)でほとんど聴き取れなかった。)

藤山の挨拶、そして浅利の挨拶。二人とも自分の言葉で、しっかりと挨拶してくれた。

藤山の挨拶では「来年はコンサドーレ札幌でプレーすることになりました」が一番嬉しかった。そう、引退するわけじゃないから、こういう言葉が一番素晴らしいと思う。浅利の挨拶では「夢は東京を日本一、世界一のクラブにすることです」に泣いた。涙を我慢する浅利の表情が高倉健そっくりだった。浅利泣き過ぎだろうってくらい泣いてたが、それを見てるみんなも泣いてたから一緒だな。

10年、という時間は短くない。僕が初めてこのチームを見た1999年にも、2009年にもいた二人の選手がいなくなる。僕だけじゃなく、いつもデカイ声で藤山ーっ!って叫んでいた人も、浅利の得点を願い続けた人も、もうスタジアムには余り来なくなっちゃった人も、みんなが寂しい。ただしそれでもサッカーは続く。皆に愛された選手の思い出はスタジアムに染み付いてしまっている。だからいつもここに来ると思い出すだろう、7番と8番のことを。ありがとう、と思いながら拍手をした。