「部屋THE ROOM」

土曜日。シネマヴェーラ洞口依子映画祭園子温監督作品「部屋 THE ROOM」。

園子温監督の幻のカルト・ムービー。初老の殺し屋が死に場所を求めて部屋を探す物語が、ささやくようなセリフと長回しの退廃的なモノクロ映像で描かれる。洞口は、終始無表情で殺し屋を部屋に案内する不動産屋の従業員を演じている。「ジャンキーが見た能舞台」、「国辱映画」などと表される一方、大絶賛の声もあり、カンヌで上映禁止、ベルリンで乱闘など数々の映画祭で物議をかもした。ただの一人よがりか大傑作か、スクリーンで確かめよう!

という前情報で見たので、どんだけ見るのが苦痛かと思ったら、最初の10分くらいの長回しに慣れてしまえば大丈夫。一人よがりどころかしっかりギャグもあるし、ちゃんと観る人を想定している映画だったのでいい意味で裏切られた。部屋探しのコントみたいな感じで、思い出したのは松本人志ヴィジュアルバムの「システムキッチン」。

カメラは動かないけど、中央線の車窓から見える風景は動いているし、中野から新井薬師近辺を移動するところも動きがあった。部屋探し=移動なので、カメラが動かない割には閉塞感は感じなかった。けん玉のシーンとか素晴らしいと思う。