「私の中のあなた」
金曜日。渋東シネタワーで「私の中のあなた」。
難病ものというか、人が死んでああ悲しいという映画はあんまり見たくない。人が死んで悲しいのは当たり前だし、映画で体験しなくても、これからはそんなことがどんどん増えるだろうから。ただなんとなく暇だったのと、姉の病気治療のためのドナーとして生まれた妹という設定が「わたしを離さないで」を思わせるなーという感じで見に行った。あと臓器移植とその拒否というのは、個人的にも他人事ではない問題だったりするので。
開始して10分もしないうちに、全ての状況がクリアにされ、問題の構造が提示される。姉のための臓器移植を拒否する妹。それに対して怒る母親。お父さんと弟はおろおろしている。そしてちょっとずつ過去を振り返っていく構成。
最初のうちは病気の告知やらなんやらのシーンがとにかく苦痛で、ああやっぱりこんな映画を見に来るんじゃなかったと後悔したが、途中からは普通にすっきりした気持ちで泣いていた。あ、別に死んでもいいんだな、という感じで。
「海を飛ぶ夢」を見たときも思ったけど、もう死にたい、という気持ちは特殊でもなんでもない。「死」は悲しいことには違いないけど、1秒でも長く生きる/生きさせることが何よりも大事だ・・という工業製品的倫理観/価値感ももちろん間違いじゃないのかもしれないけど、でもやっぱり人間は死んでしまうときは死んでしまうのだ。なんかそんな当たり前のことを思ったらなんだかすっきりした気分で泣いていた。みんなで泣き叫ぶんじゃなくて、ピザ食べたりするところが良かった。
アビゲイル・ブレスリン。天才的だと思ったら、リトル・ミス・サンシャインの子だった。ケイトの恋人のテイラー役はターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズのジョン役。カッコ良かったけど、あのパートだけはなんとなく日本映画の難病ものみたいでちょっとベタ過ぎのような気がした。
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