「パイレーツ・ロック」

火曜日。六本木ヒルズで「パイレーツ・ロック」。

あまりにベタな映画だけど、そのあまりにもベタな泣きと笑いにやられた。

8人のDJがそれぞれロックの様々な側面を体現している。カッコつけたいとか、モテたいとか、ヤリたいとか、友達がいないとか、孤独だとか・・・そういう諸々。しかもオタク的というかロックへの衒学趣味的ネタは少ないから、多くの人に開かれた娯楽になってる。例えばクライマックスでThe Whoの「無法の世界」がかかるけど、これって70年代なんだよな(映画の舞台は67年)とか、同じくデビット・ボウイのレッツダンスなんて80年代じゃん・・・というまあ時代考証をあまり気にせず、とにかく懐メロぶち込みまくりなところも、まあ開き直ってていいのかもしれない。

やっぱり個人的にはロックでモテモテという世界には親近感が持てないので、DJの中でも深夜の3時担当のボブが一番好き。「ここにしか居場所がないんだ」とか、海の中でレコードジャケットをつかもうとする姿に号泣した。ファンは男ばっかりだし。ああなりたいとは思わないが、妻にもはっきりとあなたはボブだと言われたし、まあ仕方がないのだ。いや、あんなジジイになれるのなら、そう悪くない。

この曲が素晴らしく染みたんだけど、これってFlaming Lipsの"Fight Test"とほぼ一緒でびっくりした。