豊田道倫ソロライブ@シアターpoo 、豊田道倫 with 昆虫キッズ「ABCD」

ABCD

ABCD

金曜日。新宿シアターpooにて豊田道倫ソロライブ。

最初にリキッドルームでのライブ映像が流された。カッコいい。でかいステージででかい音で鳴らされる「ABCD」の曲。

ライブはうってかわって、静かな演奏でゆるゆると進む。pooで見る時はいつもそうなのだけど、なんとなく世間から切り離された地下室にいるような気になってしまう。

加藤和彦の自殺の話から、サラッと「あの素晴らしい愛をもう一度」が歌われた瞬間、ちょっとゾクっとした。うた、というのはこういうものだな、と思って。誰が歌うか、どんな文脈で、どんな状況で歌われるかによって、ガラッと表情を変えてしまうのが、うたの持つ面白さで、この日の「あの素晴らしい愛をもう一度」はものすごく優しい、子守唄のように聴こえた。

最後は「ABCD」をその場で買ってサイン会。直前までいや、サイン別にいらないし・・とか言ってた同行の女性が握手までしてもらっていたので笑った。

ニューアルバムを聴く。なんか、とってもいい。「戦争に行きたかった」のチープなポップさとかが非常に好き。昆虫キッズの演奏は一生懸命でありつつ荒っぽくて、アイデアがいっぱいある感じ。調子っぱずれで美しいコーラスとギター、ベース、ドラム。長い間、豊田道倫という人の歌を聴いてきたけど、こうやって生き生きとしたバンドの音の中で歌がバンドのメンバーのようにかっこ良く聴こえるアルバムは初めてだと思う。