「路上のソリスト」

土曜日。目黒シネマで「路上のソリスト」。

実話の映画化。新聞のコラムニスト(ロバート・ダウニー Jr.)が、路上生活をしているミュージシャン(ジェイミー・フォックス)と出会い、コラムのネタにしつつ、彼を路上生活から救おうとする話。ロバート・ダウニー Jr.は軽薄な感じとちょっとは真面目でもあるところが出てて良かったし、ジェイミー・フォックスはやっぱり何かに取り憑かれてるように役になりきっている。

だけどちょっと物足りなかったのは、やっぱり彼が「元ジュリアード音楽院の路上生活者」だからネタになり、同情を買い、救われる対象として選ばれた(つまりは多くの救われる対象に選ばれなかった人たちがいる)、という残酷な事実をあんまり大きく描かないところかな。そこが中途半端に思えたのと、新聞社のリストラ問題ももっと掘り下げるかと思ったら放置だし、まあいろいろとネタは豊富なのにもったいないと思わせる映画だった。

こういう映画を見たときに思うのは「映画館の椅子に座っている間だけ強烈に同情したり悲しんだりしている自分の欺瞞性」と「いつかは自分も路上生活になってしまうかもしれないという恐怖」だったりする。

実話をもとにしてるからしょうがないと思うけど、救う側のロバート・ダウニーJr.が路上生活者になってしまい、救われたジェイミー・フォックスが成功者となって再び出会うというストーリーはどうだろう?と思ったが、それこそ酷い脚本のような気がするので却下。

疲れていたので併映の「レスラー」は見ずに帰った。もう1回見たかったんだけど、どーんと落ち込みそうな気がして。