東京 4-0 柏

土曜日。13時キックオフに戸惑いつつも味スタへ。結構お客さんが入っていた。沢山入った試合には勝てないという印象だったのだけど、3点目が入ったときはもう完全に勝利を確信した。内容でも完勝。柏はちょっと可哀想な感じで、天皇杯の準優勝チームがこうも落ちてしまうかと思うと恐怖にかられた。今年の大分もそうだけど、チームが崩れるというのは本当にあっと言う間だ。

4点目のゴールが入った瞬間の歓喜と、その直後の悲鳴はしばらくの間忘れられないだろう。あんなに悲しいスタジアムははじめてだった。前回の石川の怪我の時も、ルーカスの大怪我の時も、現地にはいなかったから。そこから後の20分間は、サッカーを見に来ているとは思えない、なんとも心虚ろで苦い時間だった。

サッカー観戦者とは、本当にお気楽で怠惰な存在だと改めて自覚した。選手たちは、いつもギリギリのところで戦っている。大怪我することも覚悟の上で。それを我々は見て、喜んだり悔しがったりしているだけなのだ。本当の痛みを感じるのは彼らだけ。本当の血を流すのは彼らだけ。我々がどれだけ泣いてみせようと、それが彼らの痛みの軽減に関与することは出来ない。どうやったって、それは無理だ。そう思うと余計に悲しくなった。

起きてしまったことを後悔しても仕方がない。

ロッカーまで運んでもらってその場面を振り返ったけどやっぱり点は獲りたかったし、出来ることならそのまま走ってみんなの前で喜びたかったよ。

だから最初は時間を戻してやり直したいって思ったけど、冷静になった今は時間を戻してもきっと同じプレーを選択していたんじゃないかなってと思った。

ボールの軌道とゴールネットが揺れる景色はいつまでも忘れないだろうし、その景色が今後俺が復帰するまでのモチベーションになるよきっと。
naohiro ishikawa official site > Diary

怪我をした当日だと言うのに、こんなにも力強い言葉を綴る石川に、多くのことを教えられた。我々はお気楽で怠惰な観戦者であるかもしれないけど、彼の強さに敬意を表し、学ぶことは出来る。そして石川をずっと見てきた(これからも見るだろう)ことを、みんなが誇りに思うだろう。