キューバ映画祭2009「ある官僚の死」

ユーロスペースキューバ映画祭2009。「ある官僚の死」。

機械を発明した模範的な労働者が急死し、労働者証と共に埋葬された。だが、未亡人が年金を受け取る為には、その組合員証が必要だ。なんとか叔母が年金を受け取られるように、と甥は、遺体の掘り起こし許可を求めに行くが、役所の中で、あちこちをたらい回しされ、ついに自ら墓を掘り起こすことに・・・。
チェ・ゲバラが懸念したとおり、キューバにも到来した官僚主義を痛烈に皮肉ったコメディ。

タイトルからは想像もつかないコメディだった。主人公はずっと官僚的迷宮で彷徨いながら、最後の最後に決死の跳躍(笑)を試みる。そして物語は最初の戻り、無限のループへ、ということだろう。最初から最後まで痛烈な風刺(銅像を大量生産する機械、という発明品だけでもかなり分かりやすい皮肉。)の映画なので、よくこんな映画が製作出来たなと思うし、それはやはり革命直後のキューバはとても自由だった、ということなのだろうか。そのあたり詳しくないので知りたい。本を読むか。うちにはなぜか関連書籍沢山あるし。

キューバにはまる、というと村上龍しか思いつかないので、それはちょっと嫌なのだけど。