「劇場版 虫皇帝」

日曜日。新宿K's Cinemaで各所で話題になっている劇場版 虫皇帝。他にも見たい映画はたくさんあるのだが、なんとなく精神状態的にコレだった。

事前にリアル・スプラッターだの、とにかくグロいとか聞いていたのだが、まあそれほどでもなかった。子供の頃に田舎で育った人だったらあれに近いことって少しは経験してるんじゃないかな?という気がする。俺はそういうことをやった記憶がないが、友達は爆竹でカエルを爆死させたりして、アホだなーと思っていた。先生にメチャクチャ怒られていた。

この映画はそれを大人が大真面目に再現している。ホントそれだけ。しかも危険で凶暴な毒蟲に、明らかに弱そうなカマキリをぶつけたりして、完全に残虐な子供の視点でマッチメークされてたりする。フェアな戦いなどまったく求めていない。見たいのは残酷な勝ち負けの世界。命が命を奪うシーンを見たいだけ。で、普通にその戦いが面白いから困るのだ。

この映画の態度は非道だし、倫理的に正しくない。ただ、だから何?という開き直りがあるし、虫たちの命のやりとりを見たいだろお前らも、という暴力的な誘惑がある。映画館は「見世物小屋」だとするならば、この映画はまさに見世物小屋の映画。