「鎖陰」

シネマヴェーラ妄執、異形の人々IV。1963年公開の「鎖陰」。

日大新映研に所属していた者たちによって撮られた、伝説の’60年代フィルム、とのことで、56分間ずっとこれが何なのかは理解できなかった。音楽は不定形のノイズが痙攣するように、雫がこぼれるように流れるだけ。セリフは会話というよりはつぶやきで、全てが夢か幻かという具合。しかし不思議とあまり退屈しなかったのだから映画というのはわからない。眠くならかったというよりも、映画自体が夢であれば、わざわざ寝る必要はないということかもしれない。