37歳、大地に立つ

biwacovic2009-08-22

そのまま映画館から歩いて潮風公園に向かう。もちろん実物大ガンダムを見るためだ。

平日だというのにすごい人出。オフィシャルショップには30分以上並んだ。限定ガンダムと、エコプラのザクとグフ、クリアフォルダ、ポストカードなどを買う。

ビール飲んでカレー食って、写真をとりまくって、立像の股の下をくぐって、ガンダムに触って、思う存分大地に立つ様子を眺めた。こんなとこに大勢が集まって、子どもも大人も口をあけて18メートルの巨大な立像を眺めて幸せそうな顔をしているのを見ると、ああ、平和だな、と痛感した。

自分の想像力がなかったということで、本当に反省してもいるのですが、今回お台場にできたガンダムを見て、とてもビックリしています。力を感じました。その力は何かと言うと、おもちゃカラーの持っているピースフルなカラーリングは、21世紀の我々にとって絶望するなという色で、兵器の姿ではないんだということを思い知らされたのです。僕はこれは想像しませんでした。「プラスチックモデルの1分の1(原寸大モデル)ができたらみっともないだろう」という嫌悪感しかなかったのです。
Business Media 誠:ガンダムは作品ではなく“コンセプト”――富野由悠季氏、アニメを語る(後編) (2/4)

37歳として思うことは、ガンダムは豊かで平和な時代に生まれた子供たちのために作られた戦争の物語で、僕らはその豊かで平和な時代を当たり前のものとしてずっと生きているということ。兵器としてのモビルスーツのプラモデルを必死でリアルに作り、なんとかその世界を現実に繋げようとするけれど、やっぱり本当の兵器なんかとは無縁のまま暮らしているし、それは本当に幸せなことだということ。家族や友達たちは優しく、自分はとてもラッキーにここまで生きてきて、それはもうアムロコアファイターのなかで「こんなに嬉しいことはない」とつぶやくことに匹敵するくらいのことだと思い、なんとなくじーんとしながら潮風公園を後にした。