「セントアンナの奇跡」

スパイク・リーの「セントアンナの奇跡」。日曜日。もうすぐ閉館となってしまうテアトルタイムズスクエアにて。

160分あるけど、まったく長いとは思わなかった。ものすごく真っ当な戦争映画。戦後からの振り返りという意味では「父親たちの星条旗」を、戦闘シーンの容赦ないとろこは「硫黄島からの手紙」を思い出した。

ラスト以外はとってもいいと思う。現代のパート(といっても80年代だが)のラストには泣けない。人は感傷でのみ泣くのではない。その瞬間瞬間に想いがあり、怒りがあり、祈りがあって泣いたりする。だから現在の成功でもって過去が涙で浄化されるという物語には容易に頷く訳にはいかないのである。もっと無数の報われない魂のために、主人公は行動したのだし、それが因果によって救われる必要はない。

というか、そもそもどこまでが「実話に基づいた話」なのか分からないので、ドラマ性を責めるのはお門違いなのかもしれないけど。