フジロックフェスティバル '09 7/26

biwacovic2009-07-26

3日目。曇り空の中スタート。

中村まり

ヘブンで中村まり。最初はちょっとお客さんが少ないかなーって思ったけど、徐々に人も集まって来て、手拍子が起こったり、曲に合わせて踊ってる微笑ましい親子連れがいたり、なんか非常にいい雰囲気だったような。曲と曲の間にぼつっと何かしゃべるんだけどこれが全部謙虚を通り越して自虐的というか、「自分がいかに卑屈だったか分かりました(笑)」とか言ってたのにはスゴいウケた。Night Owlsはしみじみ名曲で、なんか映画の主題歌になりそうだなって思ったり、最後のOur Blueでは不覚にもちょっと感動してしまいました。いや、不覚なんていうのは失礼だな。本当に、ちゃんと音楽で人を感動させるってのはなかなか出来ることじゃないのだと思います。

→Pia-no-jaC←

この日はほとんどグリーンに行く予定がなかったので、アヴァロンの奥にシートをひいて基地にした。ステージで始まったのが→Pia-no-jaC←。ピアノとパーカッションの2ピース。それだけでグイグイのせてく様はまさに芸人。野外でピアノの音が抜けていくのは本当に気持ちいいと実感した。

HOLY FUCK

ホワイトステージでHOLY FUCK。よくわからないけど見にいった。カナダのエレクトロニカ・バンド。ズブズブのエフェクト音と生のドラムとベース。シーケンスほとんど使わずその場でループとエフェクトと生リズムで音を作っていく様が非常に楽しい。人力でやるFAT BOY SLIMという感じ。

終わったらそのままボードウォークでオレンジに移動してJUANA MOLINAを横目で見つつトイレに並んだ。ずっと見ていた妻によればJUANA MOLINAはかなり良かったらしい。その後、ヘブンでDachamboをちょっと見る。イマイチ乗れずに、またオレンジに戻って頭脳警察・・・これが今回一番ダメだったかも。2曲で会場を後にした。一旦アヴァロンに戻って、ちょっと昼寝でもしようと思ったら、去年も3日目にあったような豪雨がざあーっっと降って来た。慌ててレインウェアを着て、ああ雨が降る。。昔のフジはこんなに雨ばっかりじゃなかったよなー、なんか気候が変わって来てるのかな?などと思う。

サニーデイサービス。ヘブンに人が溢れてる。ここで関止められてソウルフラワー見られなかったら一大事と、かなり早めにオレンジに着く。妻は今回SFUを諦めてClap Your Hands Say Yeahのためにホワイトへ。

SOUL FLOWER UNION

ああもうSFUはレギュラーとして毎年必ずフジロックでやるべきなんじゃないだろうか。登場して曲がmoon danceのイントロからロンドン・デリーがどーんと始まるだけで多幸感に包まれるというか、そこからは怒濤の1時間10分。あと3倍くらいやってくれてもいいんだけど。

「ムーンライト・ファンファーレ」「ラヴィエベル〜人生は素晴らしい!」「戦火のかなた」「ブルー・マンデー・パレード」「満月の夕」「インターナショナル」「風の市」「荒れ地にて」「神頼みより安上がり」「極東戦線異状なし!? 」(曲順じゃなくて思い出した順です)最後はもちろん「海行かば 山行かば 踊るかばね」(おれは死んだらこの歌を葬式でガンガンに流して欲しいと思うほどに好きな曲)。

オレンジコートは狂乱の渦(前の方にいたからよくわからんけど)で、汗で全身が臭くなり、なんだかわけがわからんままでずーっと踊っていたのである。

最後は、「うたは自由をめざす!」をゆっくり演奏しながらメンバーがはけていって、最後に客席からの歌だけが残るというパターン。去年渋谷で見たときは、1分も持たずに客席の合唱は終わってしまっていたのだけど、なんとこの日はたっぷり10分程度はこの歌声と手拍子が会場に残ったのである。愛すべき馬鹿どもが、馬鹿みたいに騒ぎなら、おーおーおーと叫び、うたはじゆうをめざすー!と騒いでいる。ステージには誰もいない。なんというか、今回のフジロックのなかでとりわけ印象的なシーンだった。

渋さ知らずオーケストラ

SFUで汗だくになるまで踊ったから、まったり見ようと思ったのに・・・結局SFUと同じくらい大騒ぎしてしまったかもしれない。反則すぎます。気持ちよすぎます。ステージにあがっている魑魅魍魎たちの宴をみていたら、なんだか意味もわからず勇気がわいてくるような、意味もなく元気になるような、音の渦と、踊りの中で、ぼーっとなってしまって、あたかも自分もこの音の一部を出しているかのような、わけのわからない踊りを踊っているような錯覚にとらわれるのだけど、よく考えたらそれは全然錯覚ではないのだった。

SEUN KUTI & EGYPT 80

2日目のグリーンでは最初の5分くらいしか見なかったので、やっぱり最後にじっくり見ておきたかったSEUN KUTI & EGYPT 80。これこそは椅子に座ってビールでも飲みながら、最終日の最後をゆっくり過ごそうと思ったのに・・・SFUや渋さほどじゃないにせよ、やっぱりこのビートを体験して踊らずにいられる人なんているのだろうか?いや、いない・・という演奏。周囲もみんなとっても楽しそうに、思い思いの踊り方で踊っていて、ああこのままこの祭りが続けばいいのにと果てしなく反復されるビートと繊細に織り込まれていくリズムを心ゆくまで楽しんだ。

音楽には物語性も批評性もいらないのかもしれない。あるのはあるでの楽しいけど。必要なのは・・・こういう強い音だけなのかもと思ったりした。いや、それはそれで極端で間違った意見なんだけど。

夜遊びはせずに、さくっと宿に帰って、風呂に入って、ビール飲んで終わり。お疲れさま。