フジロックフェスティバル '09 7/25

biwacovic2009-07-25

2日目。11時くらいには会場に着く。昨日とうってかわって、強烈な日射し。グリーンにレジャーシートを敷いて、昨日の濡れた靴、タオル、帽子、レインウェアなどなどを乾かす。グリーンではThe Birthdayがやってた。日光浴しながら、SEUN KUTIをちょっとだけ見て、オレンジコートへ向かう。日射しが強いが、泥のところもまだ多い。

THE INSPECTOR CLUZO

フランスの2ピースバンド。お洒落だが変態っぽいドラマーと、ジャック・ブラックのようなルックスと、美しいファルセットと、ファンキーなギターの二人がゴリゴリのロックをやる。歌詞は英語。ブルース・エクスプロージョンをちょっと思い出した。ベースプレイヤーなんて世界で最も不要な存在だぜと嘯いて、コール&レスポンスでFxxK !Base Playerと叫ばせるあたりはホントに芸人。途中で何人かステージあげて、最後は20人近くがステージで弾けまくってた。かなり楽しくて、晴れたのも嬉しくて、テンションがあがる。

筋肉少女帯

しかし疲労はたまっており、一旦グリーンで休憩した後にホワイトで筋肉少女帯。あー、なんというか、見ずにはいられないのですよ。このバンドは。周囲はそうゆう感じの同世代の人が多かったような気がする。

筋肉少女帯が特別に好きなバンドかと問われるとそうでもないのだろうと思うけど、大槻ケンヂという人の批評眼みたいなものに自分は確実に影響を受けていると思うし、それはロックだろうが映画だろうが小説だろうが芸能界だろうが通用する、かなり汎用性の高い「ものの見方」だと思っていて、その批評性というのが、「フジロックに出演する、中年向け再結成バンドとしての筋肉少女帯」というのをどのように演じさせるだろう、という興味もあった。

まあ、結果としては極めて娯楽性の高い演奏とおしゃべり(笑)で、完璧なステージだったんだじゃないでしょうか。踊るダメ人間、日本印度化計画、元祖高木ブー伝説・・・でもって最後に「釈迦」。まあ、「サンフランシスコ」とか「いくぢなし」やったら最高だったけどフェスでは無理だろう。楽しかったが、これでいいのかという一抹の不安がよぎる。これではまるでロックというよりも団塊ジュニア世代への懐古主義的な接待興行そのものじゃないか・・・というひねくれた感想を持たせるのも筋少ならでは。

あと、三柴江戸蔵のピアノは本当にすごい。聴けて良かった。

忌野清志郎スペシャルメッセージオーケストラ NICE MIDDLE with New Blue Day Horns

MELVINSとかZAZEN BOYSとかも見たかったんだけど、前日の降雨の疲労からか、ひたすらにダラダラと体を休ませる。ビールはずっと飲んでたけど、とりあえず夜はPEもあるしな・・と思って休養。

そしてグリーンで忌野清志郎スペシャルメッセージオーケストラ。いきなり泉谷しげるが一人で出て来て「烏合の衆/烏合の衆/烏合のシューシューシュー」とやり出してかっこ良かった。「僕の好きな先生」とか「2時間35分」じゃなくて、「シュー」。「たまには一人で 何かやってみろよ/いつもでみんなと いっしょなんだね」と歌う泉谷はやっぱりわかってると思った。

その後はバンドが出て来ていきなり「JUMP」をスクリーンの清志郎の歌に合わせて演奏。まんまと泣いてしまう。スティーブン・クロッパー、ウィルコ・ジョンソンブッカーTが出て来てIn The Midnight hour とDock of The Bayでも最後の口笛のところで号泣。そこからはゲストボーカルが次々と登場して歌う形の、ある意味予想通りの展開。良かったのはやっぱりヒロトマーシーの「気持ちE」かな。トータス松本の「Baby なにもかも」も良かった。そして最高だったのはチャボが登場しての「いい事ばかりはありゃしない」。本当にいい歌と演奏だった。最後に雨上がりをやって終わり。やっぱり予定調和だろうとなんだろうと、苗場でこの企画はアリだったと思う。ホント、フジロックというイベントの中で清志郎の存在は一つのアイコンだったから。

ライブ中に巨大な風船が客席に放たれて、会場中を跳ねていたが、俺のすぐ近くで派手に破裂して、風船についていた泥が帽子、顔、Tシャツにべっとりとくっついた。

PUBLIC ENEMY

フレイヴァー・フレイヴがビザが降りずに入国出来ず」のニュースを23日の夜に知り、がっかりしながらもやっぱり今年のフジの中で一番楽しみだったのがPUBLIC ENEMY。その昔、川崎のクラブチッタで見た時は、前列の方でハイテンションで飛び跳ねすぎて途中で酸欠になって倒れるという失態(後にも先にもそんなことになったのはそのライブだけだ)を犯してしまったが、今はもういい歳なのでそんなことにならないように気をつけた。

いきなりBring The Noiseでスタートして、Don't Believe The HypeとかLouder Than A Bomb,Rebel Without A Pause ,Party For Your Right To Fightなどなど・・・最後にやっぱりFight The Power。アンコールでShut'em down。結局細かい雨が降る中で興奮して無心で踊ってしまって過ぎた2時間。終わったらちょっと放心状態で汗がすごかった。なんだろうこのPEの音楽が持つ高揚感というのは。。やっぱりチャックDの声のカリスマ性に尽きるのかもしれない。音楽は人をリラックスさせたり、笑わせたり、泣かせたりするが、PEの音楽は問答無用で背筋が伸びる感じ。とにかく立ち上がれ、行動しろ、戦え、ということだ。(だからこそツッコミ役、笑わせ役としてのフレイヴァーがとっても重要なんだけど、それを言ってもしょうがない)

フレイヴァーのパートは基本はテープというか録音で、後はまさかのS1Wの人がマイク持ってラップしたり、ローディのおっさんが歌ったりしてて、なんというか旅芸人の一座が必死で主要メンバーの不在を埋めてる感じで、なんだか文句を言うよりもがんばれーという気になった。まあ、みんなこうゆう事態に慣れてるだけなのかもしれないが。

PEが終わったらもう完全に力が抜けた。宿に帰って即眠る。(26日に続く)