手塚治虫「MW」

MW(ムウ) (1) (小学館文庫)

MW(ムウ) (1) (小学館文庫)

映画化されたせいで廉価版がコンビニにあったので購入。面白かった。玉木宏はまさにこの主人公の実写版、というくらい似てる。

ただちょっと気になる『MW』の話にあるように

「松橋プロデューサーは(中略)、出資者側から「ホモの部分を出すんだったら金は出せないよ」と言われてやむなく同性愛の描写ができなくなったことを明かした。」

ということらしく、それはあまりにも酷い「映画化」だなあと思った。この漫画からその設定を抜いたら魂を抜いちゃうようなもんでしょう。対男でも対女でもいいけど、剥き出しの欲望に向き合う理性とか、善なるものへ侵入してくる悪との葛藤というか、それがイヤだったら高校生がさわやかに野球でもやる映画に金を出しておけばいいのにと思うのですが。だいたいMWってMan / Womanの意味もあるんじゃないのかな?この漫画からセックスを排除するのは無茶以外の何者でもない。