「河童のクゥと夏休み」

河童のクゥと夏休み 【通常版】 [DVD]

河童のクゥと夏休み 【通常版】 [DVD]

「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲」の原 恵一監督作品 。ちょっと前にBSの放送を録画していたのを見た。風邪で弱っていたからというわけではなく、2〜3回はボロボロと泣く。クゥがうわーんっっっと泣くシーンで、いじめられっこの女の子がありがとうっっつと嗚咽するシーンで、そして勿論ラストで。

クゥは割とリアルな感じで描かれるで、最初はちょっとグロテスクな感じすらする。だからお父さんとお兄ちゃんはすぐ盛り上がるのに、お母さんと妹はひいてる。他の飼い犬のオッサンのクールな感じとか、学校での疎外感とか、マスコミの暴力とか・・ファンタジーを成り立たせる為のリアルが135分きっちりと描かれる。「ポニョ」も似たような構造を持つ物語なんだけど、東京の都市部を舞台にして、河童をあくまで魔法的にではなく生物学的に描くとこうなるのだろう。

「夏休み」はとても甘美で残酷な時間だ。楽しい時間はそれだけに、過ぎていってしまうのが悲しい時間でもある。だからこの映画は長くていいのだと思う。時間を惜しむように、ゆっくりと映画は終わった。