飢餓海峡

先週DVDで見た映画。内田吐夢の「飢餓海峡」。

ものすごい作品だった。これが多くの日本人が共有した「戦後」という物語なのだとか言うといかにも陳腐なもの言いだけど、まあ、そういう言葉しか思い浮かばない。

映画が始まって、海峡を渡るまでの怒濤の迫力は凄まじい。あとは左幸子演じる娼婦の健気さに心打たれる。おにぎり食べて、仕事して、夢を見て、東京に出て、そしてまた仕事して・・・人生とはこういうものなのかと思うと切なくてしかたなくなる。三国連太郎は最初はジョージ・クルーニーのようにかっこいいのだけど、最後の方は本当に情けない。刑事側は高倉健よりも伴淳三郎の方がかっこいい。

飢餓海峡【DVD】

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ちょうど今日TVKでやってのが角川映画の「人間の証明」。これもある意味「戦後」とそれを生き抜いた人物の犯罪の物語だ。(「飢餓海峡」の伴淳三郎もちょっとだけ出てる。)
岡田茉莉子さん有名な「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね... 谷へ落としたあの帽子」ってヤツ。ドラえもんの「あの日あの時あのダルマ」でのび太がママにこのセリフを言うのだけど、漫画を読んだ当時は意味が全然分からなくて親に聞いた覚えがある。それで森村誠一の本を渡されたかどうかは記憶が定かではない。。

人間の証明 [DVD]

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そう言えば「銭ゲバ」テレビドラマで始まってる。初回見たけど、いきなり田口トモロヲが出て来たのでびっくりした。(すぐ死んだけど)
そういう時代なのかもしれん。2009年。

銭ゲバ 上 (幻冬舎文庫 し 20-4)

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