生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言

最近シネマヴェーラに行き過ぎという気もするが、今週からは森崎東特集ということで、「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」を見る。

冒頭の暴走シーンからラストシーンまで、映画は時に調子外れに、時に驚くほどの切なさで見る者を揺さぶり、気付いたらすっかりこの映画のことが好きになっていた。なんと言っても「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」なんてかっこいいタイトルの映画を他には知らない。主演の倍賞美津子原田芳雄がむちゃくちゃかっこいいし、平田満もいい。少年少女、おっさん(河原さぶ泉谷しげるがメチャクチャ若い)やおばさんもアイちゃんもマリアもみんないい。原発原発ジプシーをこんな風にストレートに描いて大丈夫なのか心配になるほどパンクでパワーにあふれている。舞台が(地元が近い)美浜原発だから、というのも好きな理由の一つかもしれない。DVDが欲しい、とまで思ったけど発売されてないみたいだ。ひどい。

墓場のシーンは最初ファンタジーなのかと思ってびっくりしつつ感動して見ていた。原発の中のシーンは強烈。最後の方の、野呂に向かって宮里がバーバラとの十数年の顛末を話すところで感極まってしまった。20代から30代への10年、そしてその終わりの頃に思うことはやっぱり「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ」である。

あと自分は実は原田芳雄が大好きだということに気付いた。好きな女優は沢山いても、特に好きな男優なんていないと思ってたけど、この映画を見て確信した。原田芳雄すげえ。

生きてるうちが花なのよ?死んだらそれまでよ党宣言 [VHS]

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