動物農場

晦日に見た映画。シネマアンジェリカで動物農場
ジブリが配給してるせいもあるのか、水曜日で1000円だからか、はたまた「年越し派遣村」が作られるような世相を反映してか、大晦日だというのに結構沢山の人が見に来ていた。

資料的な価値はあるアニメなのかもしれないけれど、ちょっと集中を保つのは厳しかった。最初に革命を起こす豚がレーニンで、その後に権力を握る豚のナポレオンはスターリンっていうのがあまりにも「そのまんま」で、寓話になっていない。単純な反共プロパガンダ映画という気もする。わざわざ物語にする必要、アニメーションである必要がわからない。まあ子どもたちにこの社会の仕組みを教えるにはいいのかもしれないけれど。

これは大真面目に思うのだけど、労働とその意味についての論として、僕が知っている中で最も優れた映画は「千と千尋の神隠し」だと思う。チャプリンでもケン・ローチでもない。千と千尋こそが働くことについて、僕が今までにもっとも感銘を受けた映画だった。だから、あんなすごい映画を作ったジブリのルーツの一つとして「動物農場」を見ておくことには意味があるように思うけど、あまりにも暗い話題が多い年末年始で、あまりにもそういった話題とリンクするこの映画を見たら、なんだか果てしなく暗い気分になってしまったのも確かである。

千と千尋の神隠し (通常版) [DVD]

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