壇の浦夜枕合戦記 「これが生きることなのですね」

シネマヴェーラで「官能の帝国 ロマンポルノ再入門2 〜バトンは受け継がれる」:神代辰巳 監督の「壇の浦夜枕合戦記」。

ものすごい映画だった。風間杜夫演じる義経が見事にテキトーなキャラで建礼門院を口説くのだが、言葉がいちいち馬鹿丁寧(格調が高いとも言う)で、しかも内容はひたすらエロいこと言っているという。全体的に艶笑映画という感じで進むのだが、ラストの義経建礼門院のひたすらに続く30分くらい?は圧倒されてしまった。「灯りを消してしまえば、それは盲が花を見るようなものです」とか「お回しください」とか「お下がり下さい」「お上がり下さい」とか、もう完全に行為に集中し、カメラも動かないし、見てる側もこれが豪華絢爛(?)時代劇艶笑映画であることを忘れてしまうような忘我の時間。映画のバランスとかいう視点で見れば無茶苦茶悪いんだろうけど、あれはすごい。「2001年宇宙の旅」の「木星 そして無限の宇宙の彼方へ」パートに相当する宇宙観。