フジロックフェスティバル '08 7/27

最終日。天気も快晴。宿の朝ご飯もちゃんと食べて、早めに会場に向かう。

MONO

ホワイトステージでMONO。モグワイのようで、ちょっと違うインストバンド。朝の11:00からビールを飲んで轟音のシャワーを浴びる。気持ちいいことこの上なし。

キセル

フジのオレンジコートのゆるい空気にぴったりな感じ。いいね。演奏してて楽しそうやもんね。スミノフアイスを飲みながらぼっーっとする。

友部正人 with 三宅伸治

いきなり「一本道」で始まった。ああ素晴らしい。友部さんの歌をこんな場所で聴けるなんてと思っていたら、雷が近づいてきて、雨が降り出した。なんとも迂闊なことに、グリーンステージに雨具一式を置いてきてしまった為、2曲目が終わったあたりで泣く泣くオレンジを後にする。救助犬よろしく荷物を持って来てくれた妻とホワイトステージ近辺で合流し、再度オレンジコートへ。この間約20分くらい。貴重なライブを20分もロスしてしまった。でもいいよ「はじめぼくはひとりだった 」を聴けたから。泣いた。「大阪へやってきた」もとんでもない迫力。まるで強烈なラッパーのような言葉の魔力。「痩せながら濡れて立つ」というフレーズがこれほどまでにぴったりの状況もなかった。

ソウルフラワー・アコースティック・パルチザン

ダッシュでオレンジコートからアヴァロンステージへ向かうとボ・ガンボスの「さかなごっこ」が聴こえてきて、あれっ?と思ったら「サウンドチェック終わり!」と中川の声がした。サウンドチェックと称して前倒して始めちゃってたようだ。さもありなん。「松葉杖の男」から非常にいいムードだったんだけど、雨が徐々に激しくなってきて、「満月の夕」が演奏されると同時にどしゃ降りになった。その瞬間、今まで座って見てた人たちも立ち上がり、ヤケクソでみんな大合唱。激しい雨が、笑いながら泣くようなこの歌にぴったりだった。人生は祭りであり、そして人生はくそったれであるというソウルフラワー的見解の正しさが、豪雨のアヴァロンで証明された。でもって、早く始めたくせに5分以上オーバーして終わり(笑)。張り切り過ぎや。

Stephen Malkmus & The Jicks

雨でだんだん地獄のような感じになってきたホワイトステージ。人も少なくてがらんとしてる。レッドマーキーでThe Go Teamも見たいなと思ったけど、やっぱり裏切れないよ、この心の師匠のことは。どうせペイヴメントの曲なんて1曲もやらないだろうし(事実1曲もやらなかった)、地味なステージになるのは覚悟の上だけど、それでも結局好きなんだよな。

ドラマー(女性)は力強いドラムとかわいいコーラスで良かった。ベーシストも女性で、ワンピースに裸足で演奏してて不思議な感じだった。ギター&キーボードの人は微ハゲな感じで、隣のマルクマスのハンサムぶりが強調される仕掛けになっている。(別にそんな基準で選んだんじゃないだろうけど)いい感じのバンドだ。ニューアルバムの曲が大半で、雨が降り続き、疲れた観客たちのリアクションも薄いという悪条件だったけど、いいライブだったと思う。

The Breeders

雨の中、震えながらホワイトステージでブリーダーズを待つ。ああ辛いな・・・と思いつつ気分は落ち気味だったのだけど、なんとライブが始まる頃には小雨になり、黄昏の夕空が見えるという美しい状況になった。(僕はフジロックのなかで、一番この夕焼けの時間帯が美しいと思う。)演奏もまさに「ブリーダーズ」としか言いようのない感じで、かっこよかったんだけど、とりあえずキム・ディールのおばちゃんっぽい笑い方にウケた。純度100%のおばちゃんというか、キムと比較すると不思議とケリーがとてもかわいく見えたもんな。

キャノンボール」はやっぱり盛り上った。ビートルズのカバーの"Happiness is a Warm Gun"もかっこよかった。その他にもいい曲がたくさん。何より姉妹が演奏してて幸せそうなのがいい。

ゆらゆら帝国

レッドマーキーCSSをちょっと見て、2曲目くらいでツライな・・と思ってホワイトステージへダッシュ。「夜行性の生き物3匹 」くらいから聴くことが出来た。いやあやっぱり素直にここに来れば良かった。過去にフジではレッドマーキーでも、グリーンステージでも見たけど、夜のホワイトステージというこの日のライブが一番しっくりするような気がする。

「無い!!」を聴きながらホントにうっとりして泣きそうになった。なんと美しい歌だろう。なんと美しい音だろう。

Primal Scream

プライマル、すっかり貫禄のロックバンド。安心、信頼のブランド。バカにして言ってるんじゃない。清志郎の悲しいキャンセルのために、急遽オファーされた2日目に続いての出演。難しいステージだと思ったけど、きっちり盛り上げたし、客も2回目じゃんとか文句言わずに素直に盛り上がってた。もう何度目かわからないくらいこのバンドのライブを見てる気がするけど、「ロックバンド」に憧れていたちょっと偽物っぽいバンド(いつもお洒落な嗅覚でカッコいいフォーマットを選ぶのだけは上手なバンド)が、いつのまにかホンモノになってた・・という気がして感慨深いものがある。サンプリングから"loaded"が始まった瞬間に、"Rocks"のサビに、なんとなくそういう歴史を感じたりした。

Asian Dub Foundation

でクロージングがADF。これは僕もモッシュピット近くまで駆けつけて、踊り倒しましたよ。雨で濡れたズボンを乾かしたかったしね。前の日にやったのとほとんど同じセットリストだったけど、別にいーじゃんどうでも。その昔ソウルフラワーユニオンがグリーンのクロージングをやった時のことを思い出した。あの時も確か演奏の途中でどんどん人が前の方に集まって来ちゃって、異様に盛り上がった。今回はそのとき以上に大勢がADFに踊らされ、叫ばされていたような気がする。ああ楽しい。

この2つのバンドが清志郎の代わりで良かったと思う。清志郎の闘病のことを考えたら泣きそうになったが、そんなことではいかん。これが一つの闘いなのだと自分を納得させながら(それはある種の欺瞞かもしれないが)、この3日間を締めくくろうと思った。


そんな風にして3日目も終わり。雨は夕方にはやんでいて、服は濡れていたけどさわやかな夜だった。とりあえずゴアテックスのレインウェアを買おうと思った。