「煉獄エロイカ」

煉獄エロイカ [DVD]

煉獄エロイカ [DVD]

シネマヴェーラで「煉獄エロイカ」。これまた強烈な作品。時間が過去/現在/未来を勝手に行き来して、レーザーがどうとかいきなりSF的語りが含まれたりして、出演者たちはいきなり別の人物を演じはじめたり、音楽はひとつとしてまともな音がない。とにかく実験と前衛がこれでもかとぶち込まれている。上映後に四方田犬彦氏のトークショーがあって、そこで共産党の1952年問題についての解説があったのだが、あれを聞かなかったらもっと混乱したまま劇場を後にしただろう。

今見てもこれだけぶっとんでいる映画が作られていたというのは、やはりその時代が何か異様な熱を帯びていたんだろうと思う。同時代性をこれだけ持ちながら、同時に強烈に時代を超えるものがフィルムのなかにあって、驚くしかない。