「ショーケン」

ショーケン

ショーケン

ゲーデルだとか、ファウストだとか、ジーン・ウルフだとか読む本は色々溜まっているのだけど、だーっと勢いで読了したのがこの本。妻が借りてきたのを読ませてもらった。

ショーケンすごい。これが「芸能人」ということか。つまりハイとロウを交互に激しく生きることで、一般人は「芸能人」に憧れ、そして軽蔑するのだ。ショーケンの光と影の激しさはまさにそのニーズを完璧に満たしている。セックス、ドラッグ、ロックンロール。つき合った女性の数は多いが、誰のことも悪く言わず、おまけに「時期がかぶったことはない」と豪語する。狂気と紙一重の仕事への情熱。これらが一気に綴られる。いやあ実は初めて読んだかも、芸能人の自叙伝。

で、最終的に行き着くところが、「健康」なのが涙が出る程シンプルで素晴らしい。仕事もなく、女もなく、だけども友人たちの病気にニュースに怯えつつ、四国巡礼をし、ウォーキングと筋トレを欠かさず、勿論ドラッグもタバコも酒もやめ、「でも生きていたい」と言うショーケン。すごい。まさか誰がショーケンの自伝で、八十八カ所巡りがクライマックスになると予想出来たであろうか?びっくりするが、やはり巡礼は凄いという結論になる。

とりあえず、鬱になりそうな時は体を鍛えよう、と思った。なんとかなるかもしれないし、ならないかもしれない。