『戦闘少女』

5/25。池袋シネマロサで『戦闘少女』。

監督は坂口拓×井口昇×西村喜廣。エンドクレジットで誰がどのパートの監督だったのがわかるが、あんまり違いは感じなかった。井口監督の『片腕マシンガール』『ロボゲイシャ』の系譜の作品ということで、始まる前からもうだいたいテイストはわかってるよ・・的な余裕をもって鑑賞したのだが、そんなお約束をカンタンにぶっ壊してしまう強烈さ。確かに「死んでなんかいられない」というコピーはぴったり。

俺はよく知らないが、おそらくアイドルとしてそこそこの倫理的基準を守らなければならないと思われる主役の3人が、完全に踏み外したレベルで戦闘してる。色んなところに入れたり出したりしてるし、しかも殺しながら笑ってるし。

しかも、それが「正義」のための戦闘と残虐であればいくばくかの救いもあるのだが、彼女たちの戦闘はほとんどテロと区別がつかない。テロと明確に区別される最後の戦いにしても、やっぱりやり過ぎである。

何のために戦うか?は『片腕マシンガール』『ロボゲイシャ』で徐々に壊れて来ていたが、ここにきてその破綻は確信的ですらある。つまり戦闘に「生き延びるため」という言い訳さえあればもうなんでもいいのだ。テロに向かうヒルコ軍団がとっても可哀想で、血まみれで戦う3人たちは彼女たちも無念さのぶんまでも戦わなければならないのだ。

戦闘中年として、映画に教えてもらうことはまだまだ多い。