『息もできない』

3月27日。シネマライズで『息もできない』。

なんというか、ある一つの映画のひな形をなぞっただけの物語のはずなのに、監督(=主演)の熱さにやられてしまって、ふっと泣くことが出来た。暴力/血縁/家族/そして家族でないものたちが、家族になる瞬間・・・まっすぐで、暴力が本当に「痛い」映画だった。なんといってもヨニの笑顔がとてもいい。

キム・ギドクよりも、北野武の「その男、凶暴につき」との類似を思った。ただし、あの映画よりもいい悪いは別として、優しい。アンゲロプロスの超絶技巧に酔ったあとだったので、シンプルでパンクでしかも泣けるという、これはこれで好きな映画だと思った。