『ウンベルド・D』
同じく土曜日。シネマヴェーラでヴィットリオ・デ・シーカ『ウンベルド・D』。
もう、このおじいさんの哀しさと言ったら・・・物乞いしようとして犬に帽子をくわえさせて、犬が一生懸命立つところとか涙無くして観られない。何かと助けてくれる若い女中さんがかわいいのが救いだが、彼女とてお金を持ってる訳でもなく、ひたすらに哀しい方向へと物語が続く。どうしても「俺の未来もひょっとして・・」とか考えてしまう。いかんいかん。
おじいさんを助けるために、彼女が一肌脱ぐとか、哀川翔みたいな兄ちゃんが現れてお金を工面してくれるとか・・そういう人情喜劇っぽい展開だったら救いがあるんだけどね。気持ちは全く晴れない。だけどラストシーンの美しさは、心にどーんと残るだろう。