絲山秋子『絲的メイソウ』

エッセイ集。ロックでパンクでオヤジで女で、酒とタバコと男と人生。疾走する文章と時折失速する文章。文章を書くということは、なんていい加減で、でもたいへんで、面白いことなんだろうと読みながら思う。ブログ全盛の時代だけど、こういうちゃんと編集されて作られる職人的エッセイは十分に面白いし、ちゃんとお金になるものだと思う。あと、もう本棚に余白の全くない我が家では、文庫なのが嬉しい。

全然関係ないけど、さらっと本をダウンロードして、iPadで読むような時代がすぐ来ているようなので、これはホントに大賛成したい。音楽配信と比較して語られがちな本の配信だけど、テキストとか画像データの方がそもそものデジタル化は容易で早かったのだから、まさにデバイスの問題だけがネックになって音楽に先を越されていただけで、そもそもの相性はむしろ音楽よりもいいんじゃないかと思うくらいなのである。

絲的メイソウ (講談社文庫)

絲的メイソウ (講談社文庫)