鈴木先生 第8巻

鈴木先生 8 (アクションコミックス)

鈴木先生 8 (アクションコミックス)

最初の数ページを見て、書き込まれた文字数が尋常じゃなくて、ああこれが「鈴木先生」のテンションだったなと思い出す。あと、過去の経緯とかを再度説明するようなシーンは一切ないので、前のエピソードを思い出したければ、今までの7巻を紐解かなければならない。(いつか一気読みしたいと思う。)

前半は足子先生エピソードの終息(=鈴木先生的メソッドの浸透と拡散)。後半は生徒会選挙の話へ。生徒会の話は「政治」と「人気」と「人事」の問題に切り込んでいて、これも非常に興味深い。社会の縮図というよりも、大人の社会だって結局はこのパワーゲームがそのまま適用されているような気がする。とりあえず9巻では西というテロリスト的存在がどう活躍するかが気になる。

あと、

鈴木先生というキャラクターは、元々、デビルマンのような人間、
という前提で描いています。
アモンではなくサタンと合体してしまった
不動明というようなイメージでしょうか。
鈴木先生が誰かを片付けるシーンでは、いつも、牧村家襲撃エピソードに
おける「人間」VSデビルマン、のイメージを重ねています。

という作者の言葉が面白い。人間を愛し、人間を守り、そして外道となった人間を憎むのがデビルマン。なるほど、と思わせるが、鈴木先生もハルマゲドンへ向かうのだろうか。それとも「アモンではなくサタンと合体してしまった」とあるから、彼のハルマゲドンは常に内的なものなのかもしれない。