シリアの花嫁

3/9の月曜日。結婚記念日なので仕事を休んだ。神保町岩波ホールへ映画を見に行く。「シリアの花嫁」。
イスラエル占領下のゴラン高原。無国籍状態の村の人たち。ダマスカスの親戚の男(芸能人)へと嫁ぐモナ。国境を越えたら家族とは二度と会えない。婚礼のその日に、家族たちが集まって来て・・・涙のエンディングへ向かう感動作かと思ったら全然違ったのである。

車が何台も婚礼の場(国境線)へと向かう映像がとても良かった。なぜか先回りしているデブのカメラマン。台詞ではなく、車がなんだかおかしな雰囲気を醸し出す。そして国境で待ってるドタバタ騒ぎ。イスラエルパレスチナというマクロな問題が、どうでもいいミクロな「ルール」の問題に見事に卑小化されるのが素晴らしい。みんな責任なんかとりたくないのがとてもよくわかる。誰も出ない電話のカットも美しい。そして、そこですっくと立ち上がるモナがとても感動的。