悲夢

先週の土曜日。バレンタインデーにキム・ギドクというのもイイと我ながら思う。ヒューマントラストシネマ渋谷(なんという名前)で「悲夢」。

とりあえず前作「ブレス」よりは面白かった。

オダギリジョーイ・ナヨンもただ映ってるだけで美しいので、なんというか楽に画面が持つ感じがして、それはちょっとつまらない気がした。あと二人とも仕事に現実感が無さ過ぎて、ファンタジーならファンタジーでもうちょっとダサイ仕事をやらせた方がいいのではないかと思った。

特に近年のギドク作品の主人公たちは誰もまともに働いている人がいない。適当にコンピューターをいじったり、何かを彫ったりしてお金を儲けるのはとっても大変だということを監督はよく知っているだろうに、と思う。妄想を羽ばたかせるには、ちゃんとした重い現実が必要だ。