チェ 28歳の革命

先週の土曜日。六本木ヒルズスティーヴン・ソダーバーグ「チェ 28歳の革命」

後編を見てからちゃんとした感想は書きたいと思うけど、いい映画でした。

ただし、冒頭に「チェ・ゲバラとは」という解説ビデオを流すのは本当にやめて欲しい。レッドクリフの冒頭に「三国志とは」の解説ビデオがあって、(更にはレッドクリフは劇中でも解説の字幕のオンパレードだったのだけど)そういう「バカにもわかる映画の説明」が映画がヒットするための要素だと思われているだろうか?万が一映画を見に来てチェ・ゲバラとは誰なのか知らない人は後で調べればいいと思うよ。映画とは何かの解答とか感動の詰め合わせセットじゃなくて、もやもやとした感情とか興味の喚起装置なのだから。

ただし映画の本編ではそういった過剰な字幕はなくて、しかもかなり抑制された演出でドキュメンタリーっぽく編集されていて、チェ・ゲバラキューバ革命を淡々と描いているのが良かった。音楽も最小限でクール。説明的なセリフもなく、チェの感情が爆発するようなシーンも無い。ラストシーンがとても好きだ。

監督の思いが爆発したような映画(例えば連合赤軍とか)でもないし、妄想が渦巻く映画(例えばポニョとか)でもない。なるべくそういったノイズから離れようとしている映画。ベニチオ・デル・トロもとっても頑張っている。多分チェ・ゲバラ本人の方が映画俳優の何倍もカッコ良かったという通常の伝記系映画とは逆のパターンにも関わらず。