鈴木先生 第6巻

鈴木先生 6 (アクションコミックス)

鈴木先生 6 (アクションコミックス)

セックスが一つの信仰だとすると、ナマ派とはそのうちの教義であり、これを議論するということ、すなわち神学論争になりそうなのだが、「鈴木先生」の議論はその予想の更に上を行く。常に現在の議論の上に位置する視点と考え方を持ち出し思考するから、感情論も含めて全ての言葉が多方面から精緻に検証される。まさにカラマーゾフの兄弟のミーチャ裁判すら思わせる怒濤の学級討論。一体この先、このとんでもない漫画はどこへ向かおうとしてるのだろうか?

教師が手本であるべきだってのが本当だとしても・・・先生が有罪でも無罪でも
オレたちがこんなふうに吊るし上げたらそれは・・・
オレらはオレらで不道徳なんじゃないのか!?

というところが非常に良かった。権威の発生と死滅。そのライフサイクルに対してこんなに自覚的な中学生って・・と絶句する。この漫画のすごいところは、なんの遠慮もなくこういった言葉で議論が進むところである。言葉を吐けるだけ吐いて、そして考えよう、という感じ。その勇敢さに圧倒される。