調停者の鉤爪(新装版 新しい太陽の書2)

調停者の鉤爪(新装版 新しい太陽の書2) (ハヤカワ文庫SF)

調停者の鉤爪(新装版 新しい太陽の書2) (ハヤカワ文庫SF)

というわけで、第1巻「拷問者の影」に続き、第2巻も夢中で読み終わった。

セヴェリアンの旅は続き、旅の仲間と出会い、そして別れる。解説にあったが、「鈎爪」はまるで指輪物語の指輪のようだし、テルミヌス・エストという剣の存在が、まるで普通の剣と魔法の物語のような錯覚を起こさせる。だけど、ところどころに散りばめられたこの世界の成り立ちに関する言及や、ジョナスが消えるシーンなどで、ゾクゾクするような感覚が襲ってくる。そして2巻のラストは、「この場面は決して忘れてはならない」と解説されるのも納得のなんとも意味ありげな事件が起こる。うーん。すごいとしか言えん。完全にひとつの異世界(だけど我々の想像力がギリギリ届くかもしれないような)を作ってしまっている。