消えゆく曽根中生!?『わたしのSEX白書 絶頂度』

シネマヴェーラで『わたしのSEX白書 絶頂度』

本当に普通に、これはピンク映画の王道という感じがする。音楽はファンキー。だけど画面は陰鬱で、登場人物たちはみんな不満気に人生を生きている。セックスの描写は手抜きなく濃厚で、しかも唐突に挿入される工事現場のシーンや効果音がまるでゴダール(いや違うけど)。

ヤクザ役の益富信孝の存在感が尋常じゃなくて、芹明香もかわいい。何より三井マリア演ずる大病院の採血係・あけみの不機嫌さが素晴らしい。こんなにも「人生が不満だ」と表明しつつ、しかしなぜか生へのエネルギーに満ちているからピンク映画というのは実に不思議なジャンルである。