シネマヴェーラで神代辰巳レトロスペクティブ。1975年作品。萩原健一、田中邦衛、桃井かおり出演の「アフリカの光」。
なんと言ってもタイトルが素晴らしい。まさか北海道の漁港の物語とは。そして音楽がむちゃくちゃかっこいい。ミュートビートみたいなダブに和風のメロディーがのっかるヤツとか、「いなたい」としかいいようのないメインテーマとか。ショーケンと田中邦衛が情けなくて、でもいきがっていて、だけど冬の北海道はアフリカには余りにも遠く、時折インサートされるアフリカの情景が切なく胸に迫る。「ここではないどこか」を切望する男と、ちゃんと現実見なよ、でもあんたのことが好きよ、という女。アフリカの光は遠い。