「ハッスル&フロウ」

ハッスル&フロウ [DVD]

ハッスル&フロウ [DVD]

DVDで「ハッスル&フロウ」。
去年見た「ブラック・スネーク・モーン」が良かったので、監督のクレイグ・ブリュワーの前作ということで。

これが清々しいまでに良く出来た青春(というにはちょっと遅い)映画。テレンス・ハワードはハンサムで知的でとてもピンプには見えないが、ギラギラした野心を持った眼をしていて、説得力がある。スキニー・ブラックのアンダーグラウンドテープをリスペクトしている、という設定の割には作る曲が全然アンダーグラウンドっぽくなかったりするのはご愛嬌だけど、曲を作るシーンの楽しさとか、娼婦のノラとか奥さんの描き方がとっても優しい感じとか、同じメンフィスものの「ブラック・スネーク・モーン」と同じく、音楽が人生の鍵だ、という感じが伝わってくる。

物語の最初の方に登場する、玩具みたいなカシオのキーボードがとてもいい。主人公のDジェイがまるで聖杯を授けられるかのようなシーンだと思う。酒場のアイザック・ヘイズも神様のように見える。この映画はバウスシアターの爆音で見たかった。

"It's hard out here for a pimp"は2005年のアカデミー楽曲賞。