ダイアリー・オブ・ザ・デッド

土曜日。公開初日に六本木ヒルズジョージ・A・ロメロダイアリー・オブ・ザ・デッド」。

ブログとYouTubeの時代にゾンビが発生したら?というアイデアから、(おそらくは)作られた映画。徹底して主人公達が構えるカメラからの主観映像のみで構成され、臨場感を伝えはするば、この映画で現れるのは古き良き「ゆっくりとしか動けない」ゾンビである(最近流行の高速移動ゾンビではない)。だから(と言ってしまっていいのかわからないが)この映画はゾンビの恐怖そのものよりも「恐怖を伝えること/記録すること」についての映画だ。

マスコミは信じられない、みんながブロガーで、体験者/記録者/情報発信者だ・・・という前提から、多くの主観のブロードキャストはノイズになり世界は混乱し・・というところまでは描かれているが、その後にノイズがまた集合智として再構成されるというところまでは時間が足りなかったようだ。そこまででも十分に面白かったのだけど、本当にもっと「インターネットの時代のゾンビ映画」になる為には、もっと若い発想が必要だったのかもしれない。(それでもここまで辿り着くのはさすがだと思うけど)

もしかすると、ジェイソン/デボラ(傍観者/行動者)の対比と、その交錯の方がメインのテーマだったのかもね。映画を撮る人と、撮られる人がいつのまにか逆転していくという。でもまあ面白かった。

・・・なんてことを書いていたら、なんと以前にランド・オブ・ザ・デッドを見た時の感想となんか似てしまっている。

ロメロは既に次回作「アイランド・オブ・ザ・デッド」を製作中だそうで、次はどんな発想で作られるのか興味深い。とりあえず「バンド・オブ・ザ・デッド」(ロックバンドのツアーでゾンビが発生)とか「女子アナ・オブ・ザ・デッド」(テレビ局内でゾンビが発生)とか、いろいろと思いついたので、ロメロ監督にメールしてみようと思う(しないけど)。