秋津温泉
- 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
- 発売日: 2006/02/25
- メディア: DVD
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この、新子と周作の17年に亘る腐れ縁の、救いようのなさと言ったら無い。女性にとっては、こういう文学者くずれのダメ男ももう少しハンサムで色っぽければ「あり」なんだろうけど、長門裕之だとひたすらダメに見える。ただ、そこが逆にリアルにも思えてしまった。「おれはもう死ぬ」「死にたい」と死ぬ死ぬ詐欺を繰返しながら、なんとなく生き延びてしまう男/反対に男に生きる理由を与えておきながら、次第にどん詰まりに嵌ってしまう女・・・この物語に教訓はない。ひたすらに残酷に流れる時間だけがある。
吉田喜重という映画監督よりも、こういう映画を自分でプロデュースし、主演した岡田茉莉子という女優が、化け物じみた存在に思える。好きな映画です。